TA-Lab Colloquium

(Last update on 2 July 2026)

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Date/Room 23 July at 14:00 in ES606
Speaker Kosei Nozaki (TA-Lab., Nagoya Univ.)
Title ブラックホールへの質量降着の理解に向けた相対論的流体計算法RSPHの開発
Abstract 重力波天文学の発展に伴い, 高密度天体周辺における極限的な流体の運動が注目されている. 特にブラック ホール周辺の降着円盤形成や潮汐破壊現象を通じたブラックホールへの質量降着は, 銀河進化と密接に関係 していると考えられている. しかし, 曲がった時空中での流体運動を解析的に扱うことは困難であり, その 物理描像を正しく得るためには高精度な数値シミュレーションが必要となる. そこで我々は, 粒子法である Smoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法を基盤とし, 特殊相対論および高次Post–Minkowskian 近似 を段階的に取り込んだ相対論的流体計算法の開発を目指している. 粒子法は, ブラックホール近傍で起きる潮 汐破壊など, 低密度領域を多く含む現象を扱うのに有利であり, 強重力場を扱うことができれば広範な応用が 期待される. 本研究では, 回転するブラックホールによる時空の引きずり効果を取り入れた流体シミュレー ションを行い, 傾いた降着円盤に生じるBardeen–Petterson 効果による円盤構造の変形を再現した. また, 円 盤の歪みに伴う内側領域での流体構造の変化や角運動量輸送への影響について調べ, ブラックホールへの質量 降着過程との関係について考察を進めている. さらに, より厳密な物理描像の実現に向けて, 流体運動への特 殊相対論的効果の導入を進めている. 本講演では, 現在得られているシミュレーション結果を示すとともに, ブラックホールの質量降着プロセスの理解に向けた今後の展望について議論する.